【毒親脱出物語】「いい子」を演じた24年間とリュック1つで毒親から逃げた朝の話

親と縁を切ると後悔する?1年間連絡を絶った僕の心情と安全に離れる4つの方法

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うき

親に言われるまま公務員になった毒親育ち。24歳の2月、リュック1つで家を出て、保証人ゼロ・貯金50万で自分の部屋を確保。10年勤めた市役所を辞め、今は「逃げ方の実務」を発信中。
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親と縁を切りたいと思う私はおかしいのかな…本当に切っていいの?

親との縁って法律で切れるの? 切れないならどうやって離れればいい?

縁を切ったらそのあと何が起きるの? 後悔しないかな…

本記事は、上記のように悩んでいるあなたに向けた記事です。

親から離れたいと思う自分を、おかしいと責める必要はまったくありません。
この記事を読めば、法律の現実を知ったうえで親と安全に距離を置き、毎日消耗しない暮らしを手に入れる方法がわかります。

うき

僕自身も24歳で家を出るとき、出て行けば親と絶縁になると分かっていましたが、天秤にかけて『絶対に自分の幸せを取った方がいい』と判断して、黙ってアパートを借りました

法律上、大人が実の親と縁を切る制度はありません。
ですが、実際に家を出て約1年、自分からの連絡を断ち、現在は連絡の頻度や話題に自分で線を引いて暮らしている実体験と制度の現実を元に、安全に離れる選択肢をお伝えします。

「縁を切るか切らないか」の二者択一で苦しまず、自分が消耗しない距離を自分で選ぶことで、親に怯えて自分を責め続ける毎日から抜け出すきっかけをつかめるはずです。

この記事でお伝えしたい結論

親と縁を切るか迷うのは自然なことで、あなたが消耗しない距離を自分で選んで構いません。
現在の法律には、大人が子どもの側から実の親子関係を解消する制度はありませんが、引っ越しや連絡を断つことで安全に距離を置くことはできます。
保証人や扶養照会、相続などの問題に直面することもあります。扶養の照会をするかは役所が判断しますが、保証人や相続は制度を正しく知っておけば備えられます。

本記事でわかること
  • 親から離れたい自分を責めなくていい理由
  • 法律で縁を切れない現実と、安全に距離を置く方法
  • 離れた後の生活やお金で直面することと、僕のリアルな心情
  • 毎日消耗しないために「自分で距離を選ぶ」基準
実家を出て自立したいあなたへ

まだ実家にいて、まずは安全に家を出たいと考えている方は、こちらの記事から順番に進めてみてください。実家を出たいのに出れない理由とは?毒親とのつながりを絶って自立する3つの順番

【うきのプロフィールと実績】

就職先の市役所が実家から歩いて20分。引っ越す理由が見つからないまま実家に戻るも、

出かけるたびに行き先を報告させられ、不機嫌と無視が続く毎日に限界を感じる。

1年は耐えたが、2年目で限界。ついに決死の家出を決意する。

しかし、届いたアパートの契約書を勝手に開けられて計画が親にバレ、「契約解除してこい」と言われる。

それでも引き下がらず、「してきます」と嘘をついて水面下で準備を続行。

実家で暮らしながら、仕事帰りに1人で不動産屋へ通った。

約2ヶ月で準備を整え、保証会社を使って自分名義で部屋を契約。貯金をフルベットしてリュック1つで脱出に成功。

実家時代にずっと欲しかった「自分暮らし」を実現。

現在は当事者の立場から、同じように「出たいのに出られない」人に向けて、逃げ方の実務を発信している。

>>詳しいプロフィールはこちら

>>保証人ゼロで家を出た僕の方法はこちら

目次

親と縁を切りたいと思う私はおかしい?本当に切っていいのか迷うあなたへ

親と縁を切りたいと思う私はおかしい?本当に切っていいのか迷うあなたへ

親と縁を切りたい、もう離れたい……

そう思い詰める一方で、「親に対してそんなことを考える自分はおかしいんじゃないか」と、胸の奥で自分を責めていませんか?
限界まで傷ついているのに、罪悪感や迷いが押し寄せて身動きが取れなくなってしまう気持ち、痛いほどよく分かります。

ここでは、そんな葛藤を抱えるあなたに向けて、知っておいてほしい大切な話を4つに分けてお伝えしていきます。

親から離れたいと思う自分をおかしいと責めなくていい理由

結論から言うと、親から離れたい、縁を切りたいと思う自分をおかしいと責める必要はまったくありません。

その思いは、あなたが冷たい人間だから湧いてきたものではなく、何度も傷つけられ、我慢を重ねてきた末に心が限界を迎えたからこそ出てくる自然な反応です。

実際、東京都の相談サイト「TOKYOメンターカフェ」の回答者の方も、悩む人に向けて次のような言葉を寄せています。

「このような状況で親と縁を切りたいと思うのはおかしくないですよ。むしろ自然な気持ちではないでしょうか。」

(出典:この程度で親と縁を切るのは異常?|TOKYOメンターカフェ)

傷つけられる環境から離れたい、安全な距離を取りたいと願うのは、自分自身の心と生活を守るための当たり前の防衛反応です。

僕自身の話をすると、「自分の家は普通じゃない」と気づく転機になったのは、当時付き合っていた彼女の家族と接したときでした。
家族同士の会話や空気に触れて、「普通の家ってこんなに穏やかなんだ」と知りました。

そこで彼女に「うちの家庭なんか変なんだよなあ」と打ち明けてみたところ、彼女から返ってきたのは「それ、毒親なんじゃない?」という一言でした。
気になって調べてみると、毒親の特徴が驚くほど実家の親に当てはまっていたんです。

その瞬間、「僕がダメだったんじゃない、あの家が普通じゃなかったんだ」と、それまでの見方がガラリと変わりました。
「なんだ、僕のせいじゃなかったのか」という深い安堵と同時に、「じゃあ、この20年以上の我慢は何だったんだ」という激しい怒りが込み上げてきました。

もちろん、知恵袋などの投稿を見ても、

「親が悪いと思えれば楽なんですが私は自分が悪いんじゃないか、親にひどいことをしていると考えてしまって断ち切れません」

(出典:Yahoo!知恵袋)

という切実な声があるように、「親のせいにするなんてひどいのではないか」「我慢できない自分が悪いのではないか」と思い悩んでしまう気持ちもよく分かります。
長年その環境で過ごしてきたからこそ、親ではなく自分を疑ってしまうのは無理もありません。

うき

自分が悪いと思い込んでいる間は、ずっと苦しさから抜け出せません。でも、離れたいと思うほど傷ついてきたのは紛れもない事実なんです

まずは「離れたいと思う自分はおかしくない」と認め、これ以上自分を責めるのをやめることから始めてみてください。

限界を迎える主なきっかけと、僕が黙って部屋を借りて家を出た理由

親と縁を切りたくなる主なきっかけは、過干渉や借金などの苦痛が限界を迎えることです。
僕自身は、母の不機嫌がじわじわと積もるなかで結婚を意識したことをきっかけに、黙って部屋を借りて家を出ました。

弁護士法人アディーレの記事の分類によると、子どもが親と縁を切りたいと考える主な理由として、次の2点が挙げられています。

  • 「親が過干渉や虐待を行う『毒親』だから」
  • 「親の借金を相続したくないから」

(出典:親と縁を切る方法とは?目的別の縁切り方法を弁護士が詳しく解説|リーガライフラボ)

暴言や過干渉、お金の無心や親の借金などに日常的にさらされ続けると、心も生活もすり減っていきます。
これ以上関わっていたら自分の人生が壊れてしまうと感じたとき、人は限界を迎えるのです。

ある個人ブログ(「筋トレ×ミニマリストブログ」)の書き手の方も、

「自分の周囲にも危害が及びそうである」と思ったことをきっかけに、完全に縁を切りました

(出典:親と縁を切ったら幸せになった話【後悔はない】|筋トレ×ミニマリストブログ)

と、他者へ被害が及ぶ危機感をきっかけに距離を置いた体験を明かしています。

当時、毎週末に彼女へ会いに行くたびに、母は不機嫌な顔や声のトーンになっていました。
これがじわじわと僕の心に積もっていったんです。

そしていよいよ結婚を意識したとき、「これ、あの親に言わなきゃいけないんだ」と気づき、うんざりした憂鬱な気持ちになりました。
どうせ絶対に反対されるに決まっているからです。

「あの親が認めるわけがない、話し合いすら無理だ」と悟った瞬間、感じたのは絶望感と焦燥感でした。
「もうどうしようもないな」と思い詰めた末に行き着いたのが、「黙ってアパートを借りて出るしかない」という結論です。

実家を出ていけば親と絶縁になることは分かっていましたが、天秤にかけた結果、「絶対に自分の幸せを取った方がいい」と腹をくくったのです。

「家族なんだから、事前にきちんと話し合ってから出るべきではないか」「黙って出ていくのは不誠実ではないか」と思う人もいるかもしれません。
話し合いで分かり合える関係であれば、正面から話すのが一番でしょう。

うき

でも、話し合うこと自体が危険だったり、絶対にまともな話し合いが通じないと分かっている相手なら、自分の身と未来を守るために距離を取ることが最優先です

親に結婚を言わなきゃと気づいただけで憂鬱になり、話し合いは無理だと悟った僕のように、限界を迎えた自分のサインを見逃さず、これ以上消耗しないための現実的な行動を選んでいいのです。

離れたいのに申し訳なさや罪悪感に苦しんでしまう3つの理由

親から離れたいと強く望んでいるはずなのに、申し訳なさや罪悪感に苛まれて動けなくなってしまうのには、次の3つの理由があります。

1. 子どもの頃から「親を大切に」と言われて育ってきたこと

2. 生物としての血のつながりへの思いがあること

3. 周囲からの無理解な目があること

親子関係カウンセラーの川島崇照さん(おとなの親子関係相談所)の記事では、この心理について次のように解説されています。

私たちは子どもの頃から、「親を大切にしなさい」「親には感謝しなければいけない」という価値観の中で育ってきました。
私たちは生物として、「親」という存在を求めるようにできています。

(出典:親と縁を切るのは正しい?後悔しない判断基準3つを解説|おとなの親子関係相談所)

つまり、理不尽に傷つけられてきた過去があっても、幼少期からの道徳的な刷り込みや本能的な欲求によって、「親から離れようとする自分は冷酷なのではないか」と強いブレーキがかかってしまうのです。

さらに苦しみを深めるのが、周囲の目です。

個人ブログ(「筋トレ×ミニマリストブログ」)の筆者も、心の中で1%くらい「そうは言っても血の繋がった両親でもあるよな」という葛藤を抱えつつ、実家に帰っていないことを周りの大人に話した際、

「そうは言っても育ててくれた親でしょう。大切にしなさい。」

と何度も言われたと振り返っています。

僕自身もまったく同じ経験をしてきました。

「家族なんだから仲良くしなきゃ」

この言葉を、職場でも友達にも親戚にも、これまでに何度も言われました。

一般家庭の常識を持っている人たちから「親を大切にするのが当たり前」「育ててもらった恩があるだろう」と言われれば、「親と距離を置きたいと思う自分が薄情なのではないか」と苦しくなるのは当然です。
誰だって、親不孝な人間になりたいわけではありません。

うき

あなたが罪悪感を覚えるのは、それだけ情が深くて優しい心を持っている証拠です。でも、その優しさのせいで自分がすり減ってしまっては本末転倒です

罪悪感の正体が「幼少期の刷り込み」や「周囲の無理解」だと分かれば、自分を責める重荷を少しずつ手放していけるようになります。

自分の幸せを基準にする決め方と、カウンセラーによる3つの問い

親との関係に迷ったときは、「親のためにどうすべきか」ではなく、「自分自身の幸せ」を判断の基準に据えて距離を決めていくことが大切です。

親の機嫌や世間体を基準にして我慢を続けても、あなたの心が削られていくだけだからです。

個人ブログ「筋トレ×ミニマリストブログ」の筆者も、次のように述べています。

多くの人は「縁を切って後悔する」ことを気にしていますが、「縁を切らず苦しい人生を送って後悔する」ことも考えた方がいいような気がするんです。

親と離れて後悔するかどうかを心配するあまり、今の苦しい生活を何年も引き延ばしてしまうことの方が、取り返しのつかない傷になりかねません。

僕自身、実家を出ると決めたときは、親と絶縁状態になるリスクと自分の幸せを天秤にかけ、「絶対に自分の幸せを取った方がいい」と判断しました。

もし今、あなたが離れるべきかどうか立ち止まっているなら、親子関係カウンセラーの川島崇照さん(おとなの親子関係相談所)が記事「親と縁を切るのは正しい?後悔しない判断基準3つを解説」で示している、次の「3つの問い」を自分に投げかけてみてください。

1. 「親」ではなく「一人の人間」として見て、その人と関わり続けたいと思えるか?

2. その人に「信頼感」を持てているか?

3. その人のそばにいるとき、「安心感」を感じられているか?

これらの問いに対して、心から頷くことができないのであれば、無理に関わり続ける必要はありません。

「親を差し置いて、自分の幸せばかりを優先して本当にいいのだろうか」と躊躇してしまう気持ちもあるはずです。
親の顔色をうかがって生きてきた人ほど、自分の望みを一番に選ぶことに怖さを感じるものです。

うき

縁を切るか・切らないかという極端な二者択一にとらわれる必要はありません。大切なのは、自分がこれ以上消耗しないための距離を、自分で選ぶことです

実家を出ることはゴールではなく、あなた自身の人生を始めるためのスタートラインにすぎません。
自分の幸せを基準にして、穏やかに息ができる距離を選んでいきましょう。

親と縁を切ることは法律でできる?切れない現実と制度の限界

親と縁を切ることは法律でできる?切れない現実と制度の限界

「親と法的に縁を切りたい」「赤の他人になる手続きはないのか」と悩んでいませんか?
毒親との関係に限界を感じたとき、真っ先に法律上の制度を探したくなる気持ちは痛いほどよく分かります。

子どもの側から実の親子の縁を切る制度はない

しかし、結論から言うと、現在の日本の法律には「親子の縁を完全に切る」という制度は存在しません。

知っておくべき法的な現実と制度の限界は、全部で4つあります。

  • 法律上「子どもから親を勘当する」制度は存在しない
  • 特別養子縁組は原則15歳未満に限られ、大人が使える普通養子縁組では実の親との関係が残る
  • 分籍で戸籍から抜けても親子関係や相続権はそのまま残る
  • 絶縁状や公正証書、改名に法的な関係を断つ効力はない

制度の仕組みを冷静に把握したうえで、どうやって自分の身を守るかを見ていきましょう。

法律上「子どもから親を勘当する」制度は存在しない

まず結論からお伝えすると、法律を使って子ども側から親との関係を解消することはできません。

なぜなら、実の親子関係においては、夫婦の間にある「離婚」や養親子にある「離縁」のような、法的な関係を解消する制度そのものが用意されていないからです(出典: 親子の縁を切ることはできるのか|神戸さきがけ法律事務所)。

時代劇やドラマなどで「親から勘当された」という表現を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、そもそも「勘当」とは目上の立場の人物が目下の人物に対して縁切りを告げる言葉です(出典: 子供から親を「勘当」できるか|そなサポ)。

目下の立場である子どもから親に対して縁を切る場合には、勘当ではなく「絶縁」という言葉を使います。
ただし、勘当にせよ絶縁にせよ、法律上の親子関係を消滅させる制度としては定められていません。

配偶者とは離婚できるのに、毒親とはどうして法的に離れられないのか

そうやって理不尽さに悔しさを感じるのも当然だと思います。
毎日追い詰められている当事者からすれば、離婚と同じように関係を清算できる手続きを求めたくなりますよね。

しかし、法的な解消制度が存在しない以上、国に親子の縁を切ってもらうことはできません。

うき

法律の仕組みとして『親子の関係を解消するボタン』はどこにもありません。まずはこの現実を知ることが、自分をすり減らさない距離を選ぶための前提になります

特別養子縁組は原則15歳未満に限られ、大人が使える普通養子縁組では実の親との関係が残る

実の親との法的な関係をリセットしたいと考えたとき、「特別養子縁組」は大人が使うことができず、大人が利用できる「普通養子縁組」を結んでも実の親との関係は残ります。

実親との親族関係を完全に終了させる特別養子縁組には厳格な年齢制限が課されており、成人が他人の養子に入る普通養子縁組では、実親との法的な親子関係が存続すると規定されているためです。

民法第817条の2および第817条の5では、実方の血族との親族関係が終了する特別養子縁組について、養親となる者の請求の時に15歳に達している者は養子になることができないと定められています(15歳に達する前から監護されていたなどのやむを得ない事由がある場合を除く)。
成立までに18歳に達した者も同様です。これは子どもの福祉を図るための制度です。

一方で、成人も含めて利用されている「普通養子縁組」は、養親との間に法的な親子関係を作るものですが、法務省の解説(出典: 養子縁組について知ろう|法務省)にもある通り実親との親子関係は存続します。

  • 実の親との親子関係がそのまま残る
  • 実の親との間で相互に相続権を持ち続ける
  • 実の親に対する扶養義務も残る

「信頼できる誰かの養子に入れば、実の親とは完全に赤の他人になれるはずだ」と期待したくなる気持ちも分かります。
戸籍上の親を上書きしてしまいたいと願うのも、それだけ切羽詰まっているからですよね。

しかし、大人が利用できる養子縁組の形では、実の親との法的なつながりを消し去ることはできません。

うき

養子に入れば実の親と切れるわけではありません。大人が取れる養子縁組の枠組みでは、実親との法律上の関係を断ち切ることはできないのが現実です

分籍で戸籍から抜けても親子関係や相続権はそのまま残る

「親の戸籍から抜ければ、他人になれるのではないか」と考えてしまいがちですが、分籍届を出して親の戸籍から抜けても、法的な親子関係や相続権はそのまま残ります。

戸籍法上の分籍とは、単に現在の戸籍から分かれて自分単独の新しい戸籍を作る手続きにすぎず、親子の血縁や法的な身分関係を変更する効力はないからです。

戸籍法第21条により、成年に達した者であれば(筆頭者およびその配偶者を除いて)誰でも分籍の届出をして新しい戸籍を作ることができます。
しかし、各自治体の案内(出典: 横浜市)にも明記されているとおり、分籍をしても戸籍が分かれるだけで親子関係等の身分関係には変更がありません。
なお、一度分籍届を出すと元の戸籍に戻ることはできません。

さらに、弁護士の解説(出典: 毒親と縁を切りたい…法的にできることは?|エール少額短期保険)でも示されているように、分籍届をしても親子の相続関係には法的な影響が何もないため、親が亡くなったときの相続権もそのまま残ります。

親と同じ戸籍に名前が並んでいるのを見るだけでも苦痛

紙の上だけでも、親の支配下から名前を外したい

そのように感じて分籍を考えるのは、ごく自然なことです。
書類の上だけでも親と切り離されたいと思うほど、精神的に限界を迎えているのだと思います。

ただ、どれだけ戸籍の見た目を分けたとしても、法律上の親子関係そのものが消えるわけではありません。

うき

戸籍を書類の上で分けることはできても、法的な親子のつながりまで消えるわけではありません。『分籍すれば法的に赤の他人になれる』という誤解には十分な注意が必要です

絶縁状や公正証書、改名に法的な関係を断つ効力はない

強い決意を形にしようとして絶縁状や公正証書を作ったり改名したりしても、法的に親子関係を断ち切る効力はありません。

当事者同士の文書や合意によって法律上の親子関係を消滅させることは認められておらず、名前の変更も法的な血縁関係を清算する手続きではないためです。

弁護士の解説(出典: 毒親と縁を切りたい…法的にできることは?|エール少額短期保険)によると、「絶縁する」という内容を書面にして公証役場で公正証書にしたとしても法的効果はなく、親子の相続や扶養義務は発生し続けます。

また、戸籍法第107条の2に基づき、正当な事由があって家庭裁判所の許可を得れば名前を変更することは可能です。
しかし、裁判所の許可を得て名前が変わったとしても、親子の法律上の関係性には何の影響もありません。

ただし、法的な効力は一切ないものの、絶縁状を送ることで親に対してこれまでの思いをぶつけることができ、自分の気持ちに区切りをつけてスッキリできるという心理的な側面はあると考えられます。

公証役場や家庭裁判所といった公の場を通せば、国も親との絶縁を認めてくれるのではないかとすがりたくなる思いはよく分かります。
それほど強い覚悟を持って、親との関わりを断ちたいと考えているからですよね。

ですが、公的な手続きを使っても、法律上の親子関係をなくすことはできません。

うき

どれほど正式な書類を整えても、法律上の親子関係を消滅させる効力はありません。だからこそ『法律で縁を切る』ことに縛られず、自分が平穏に暮らすための現実的な距離を選ぶことが大切になります

親子の関係を切る手段と法的な現実
手段親子の関係は切れるか根拠
勘当・絶縁の宣言切れない弁護士の解説(神戸さきがけ法律事務所)
特別養子縁組切れる(原則15歳未満のみ・大人は使えない)民法817条の2・817条の5・817条の9
普通養子縁組切れない(存続する)法務省資料(実親との親子関係は存続)
分籍切れない自治体の案内(横浜市ほか「親子関係等の身分関係には変更がありません」)・戸籍法21条
絶縁状・公正証書切れない弁護士監修の記事(エール少額短期保険)
改名切れない戸籍法107条の2(名を変更する制度)

毒親と絶縁したい人へ|安全に距離を置いて離れる4つの方法

毒親と絶縁したい人へ|安全に距離を置いて離れる4つの方法

親との関係に耐えられず「もう離れたい」と思ったとき、安全に距離を置くための具体的な方法をあらかじめ知っておくことはとても大切です。

安全に距離を置く手順を踏む

無防備に飛び出すのではなく、自分の生活や安全を守る手順を踏むことで、親からの干渉を遠ざけて落ち着いた暮らしを取り戻すことができます。

ここでは、安全に距離を置いて離れるための方法を全部で4つ紹介します。

新居へ引っ越してすべての連絡手段を断つ

親と安全に距離を置いて平穏な生活を守るためには、新しい住所を教えずに引っ越し、連絡に応じない状態を作ることが基本の手段です。

生活情報サイト「そなサポ」の記事にも「誰かと二度と会いたくないときには、まずは物理的な距離を取るのが一番有効です」とあるように、生活の拠点を離してしまうことが一番の防御になるからです。
相手に居場所がわからなければ、突然押しかけられる心配もありません。

僕自身も、親との関係に限界を迎えたときは「黙ってアパート借りて出るしかない」という結論に行き着き、家を出てから約1年は、自分から親に連絡しませんでした。
連絡を遮断する手段としては、着信拒否やブロックも選択肢のひとつです。
僕の場合は拒否の設定まではせず、かかってきても出なかっただけでしたが、それでも携帯には月1〜2回ほど非通知の電話がかかってきました。

うき

僕自身は着信拒否やブロックの設定はせず、電話が鳴っても出ないようにしていました。それでも非通知の着信は続いたので、完全に連絡を遮断したいなら設定しておくのも身を守る方法です

「着信拒否や無視をすると親が逆上するのではないか」「何も言わずに連絡を断つのは申し訳ない」とためらってしまう人もいるかもしれません。

ですが、毎日親からの連絡に怯えて消耗し続ける必要はありません。
まずは物理的な距離を確保し、連絡に応じない環境を整えて、自分の生活と心を守ることを最優先にしてください。

DVや虐待などの被害を受けた人が、役所で住民票などの閲覧制限をかけて新住所を隠す

親からの暴力や虐待などの被害を受けている場合は、役所で手続きをすることで、住民票などから新しい住所を知られないように制限できます。

自治体には「DV等支援措置(住民基本台帳事務における支援措置|総務省)」という制度があり、親などの相手方が住民票の写しや戸籍の附票を取得して新住所を突き止めるのを防ぐことができるからです。

この制度の対象となるのは、児童虐待防止法に規定する児童虐待や、配偶者からの暴力(DV)、ストーカー行為の被害者、およびこれらに準ずる方です。
手続きの流れとしては、原則としてまず警察や配偶者暴力相談支援センター、児童相談所といった相談機関に被害の相談を行います。
そのうえで、市区町村の窓口に「住民基本台帳事務における支援措置申出書」を提出する手順です。
市区町村が相談機関の意見などを聴いて支援の必要性を確認すると、相手方からの住民票や戸籍の附票の閲覧・交付が制限されます。
第三者からの請求についても、写真が貼付された身分証明書による本人確認や請求理由の審査が厳格に行われる仕組みです。
期間は確認結果の連絡から1年間で、終了の1か月前から延長の申出が可能です。

うき

僕は市役所の業務でこの制度を知りましたが、知ったのは家を出たあとで、自分では使っていません

「自分のようなケースでも支援措置が認められるのだろうか」「手続きが複雑で難しそう」とためらう人もいるかもしれません。

しかし、暴力や虐待で心身に危害を受けるおそれがあるなら、住所を隠して身の安全を守るために非常に重要な制度です。
該当する不安がある場合は、まずお近くの警察や市区町村の窓口に相談してみてください。

なお、暴言や過干渉だけで対象になるのか、申し出が通らなかったらどうするかは、住民票の閲覧制限で親に住所がバレる経路を止めるで詳しく書いています。

つきまといや身の危険を感じたときの公的な相談先

親につきまとわれたり、身の危険を感じたりしたときは、自分ひとりで抱え込まずに警察や専門の公的窓口へ相談してください。

個人の力だけでつきまといや暴力に対処しようとしても限界があり、危険を回避するためには適切な公的機関の力を借りる必要があるからです。

状況や相談したい内容に応じて、次のような公的な窓口が用意されています。

  • 今まさに身の危険が迫っている緊急のときは、迷わず「110番」に通報してください。
  • 緊急ではないものの、生活の安全に関わる困りごとや不安があるときは、警察相談専用電話|警察庁(#9110)を利用できます。全国どこからでも電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながり、指導や助言、相手方への警告など必要な措置をとってくれます。
  • 法的なトラブルや手続きについて相談したい場合は、法テラス・サポートダイヤル|法テラス(0570-078374 / IP電話等からは03-6745-5600)があります。平日の9時から21時、土曜の9時から17時まで受け付けており、利用料0円(通話料のみ)で専門のオペレーターが適切な法制度や関係機関の窓口を紹介してくれます。
  • 今すぐ安全な避難場所を確保したい場合は、毒親から逃げるためのシェルター利用についての情報も確認してみてください。
うき

警察や公的な相談先と聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、頼れる場所があると知っておくだけでも心の支えになります。緊急のときは迷わず110番を使ってください

「家族の問題で警察に電話していいのだろうか」「大ごとにして余計に親を怒らせたらどうしよう」と不安に思う気持ちもあるはずです。

ですが、あなた自身の安全を守ることが何よりも優先されます。
危険を感じたときは決してひとりで抱え込まず、公的な相談窓口を頼ってください。

家庭裁判所の調停など第三者に間に入ってもらう

親と話し合うのが難しい場合は、家庭裁判所の調停などを利用して中立な第三者に間に入ってもらう方法があります。

東京都の相談サイト「TOKYOメンターカフェ」の回答者も「家族間の問題は当事者同士では解決するのがなかなか難しいものです。このような場合は、第三者に間に立ってもらうことが解決につながるのではないかと思いました」と述べているとおり、親子という関係だからこそ当事者同士では感情がぶつかり合って話し合いにならないことが多いからです。

公的な手続きとしては、家庭裁判所の親族関係調整調停|裁判所という制度があります。
裁判所は、調停を「円満な親族関係を回復するための話合いをする場」と説明しています。
手続きは「当事者双方から事情を聴いたり、必要に応じて資料等を提出してもらうなどして事情をよく把握して、解決案を提示したり、解決のために必要な助言をします」という形式です。
親と離れたい人に合うかどうかは一概に判断できませんが、第三者を介する選択肢のひとつとして挙げられます。

うき

当事者同士だと、直接話をしようとしても激しい言い争いになったり、親の言葉に押し切られたりしがちです。裁判所が双方から事情を聴いて解決案を提示したり助言をしたりしてくれる仕組みですが、僕自身はこの調停を使ったことはありません

「裁判所の手続きを使うなんて大げさすぎるのではないか」「余計に関係が悪化するのではないか」とためらうかもしれません。

ですが、当事者だけで解決できないからこそ、中立な第三者の力を借りる価値があります。
解決案の提示や必要な助言を受けるための選択肢として覚えておいてください。

親と縁を切ると何が起きる?生活とお金で直面する4つのこと

親と縁を切ると何が起きる?生活とお金で直面する4つのこと

親と物理的・精神的に距離を置くことを決めても、日々の生活が急に何事もなくスムーズに回り出すわけではありません。

生活とお金で直面する現実の問題

家を出て親に頼らない生活を始めると、公的な手続きやお金に関わる現実的な問題に直面します。

親と距離を選んだあとに直面する生活とお金のリアルな問題について、知っておくべき「4つのこと」を順番に見ていきましょう。

うき

親から離れることはゴールではなく、自分の人生を始めるスタートラインです。あらかじめ何が起きるかを知っておくだけで、無用なパニックや不安はずっと減らせますよ

賃貸の保証人や緊急連絡先で困る場面と事前の備え

親と連絡を絶って自立した生活を始めようとするとき、最初に直面しやすいのが賃貸契約や就職の際の「保証人」や「緊急連絡先」を誰にするかという問題です。

賃貸契約や就職などの各種書類にある保証人や緊急連絡先の記入欄で、親を頼れない状況になると手が止まってしまうためです。

例えば、一人暮らしの部屋を借りる際、親に連帯保証人を頼めないことがあります。
しかし、これは連帯保証人を立てずに契約できる「保証会社」を利用することで解決できます。

僕自身も実家を出たときは保証会社を利用し、保証人ゼロで部屋を契約しました。その際の緊急連絡先は彼女と友人でした。

また、就職時の身元保証人で困るケースも考えられます。
個人ブログ「筋トレ×ミニマリストブログ」の書き手の方は、就職の身元保証人がいなくて困った際、事情を説明して学校の先生に頼んで乗り切ったと振り返っています。
現在では身元保証代行サービスといった選択肢も選べる時代です。

さらに同ブログの書き手の方は、親と距離を置いたことで兄弟の結婚式に行けなかったという現実的な悩みも打ち明けています。
あわせて、同ブログの書き手の方は、親と縁を切ったあとも父親が生活保護を申請した際に扶養できないか連絡が届き、父親が亡くなった際にも葬儀や相続(負債を含む)の関係で連絡が来たと振り返っています。
なお、その書き手の方はご自身のケースについて「これは強制ではないので、断ることができます」と記しています。

「親に頼らないと、周りや親戚から冷たい目で見られるんじゃないか…」
「関係者全員にきちんと事情を説明して、納得してもらわないといけないのでは…」
と罪悪感や不安を抱く方もいるかもしれません。

ですが、親子関係カウンセラーの川島崇照さんの記事にあるように、すべての人に理解してもらおうとする必要はありません。
「自分がどう生きるかを選んだ」というシンプルな事実として伝えるだけで十分なこともあります。

保証会社や信頼できる知人、代行サービスといった事前の備えを知っておけば、親に頼らなくても暮らしはきちんと成り立ちます。

なお、保証人なしで部屋を借りる詳しい方法については、別の記事で解説しています。

>>【保証人なしでOK】毒親から逃げる引越し完全ガイド|住所バレしない賃貸BEST3

うき

『親のサインがないと生きていけない』なんてことはありません。頼れる制度や味方を見つけて、一歩ずつ自分の足場を固めていきましょう

親の介護や扶養の義務と、役所から照会通知が届いたときの対応

親と連絡を絶って事実上の絶縁状態になったとしても、法律上の扶養義務が消えるわけではないため、親が生活保護を申請した際に役所から「親を扶養できるか」という照会通知が届く可能性があります。
ただし、親が申請する場面で「縁が切られているなどの著しい関係不良」と役所が判断した場合は、扶養照会を行わないこととして差し支えないとされています(判断は役所が行います)。

民法第877条第1項には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められており、困窮した親が生活保護の窓口へ行くと、役所はルールとして親族に援助の可否を確認する調査を行うからです。

実際に親が生活保護を申請すると、役所から子どものもとへ書類が送られ、金銭的あるいは精神的な支援ができないか尋ねられることがあります。
しかし、扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(令和3年2月26日 事務連絡)|厚生労働省では、「扶養義務履行が期待できない者」の判断基準が明確に示されています。

その中で、「縁が切られているなどの著しい関係不良」や「一定期間(例えば10年程度)音信不通であるなど交流が断絶している」場合は、著しい関係不良として扶養義務の履行が期待できない類型に当てはまり得ると明記されているのです。
事前にこうした事情が確認され、扶養の可能性が期待できないと判断された場合、役所は直接の照会を行わないこととして差し支えない方針となっています(※最終的な判断は保護の実施機関である役所が行います)。

「もし突然役所から通知が届いたら、拒否できずに親の面倒を見させられたり、仕送りを強制されたりするのではないか」と強い恐怖を感じるかもしれません。

ですが、厚生労働省の通知にあるとおり、著しい関係不良や一定期間の音信不通などがあり、役所に「扶養義務の履行が期待できない」と判断されれば、扶養照会を行わないこととして差し支えないとされています。
最終的な判断は保護の実施機関である役所が行うものですが、義務という言葉だけに怯えるのではなく、制度の運用基準を知って落ち着いて対応しましょう。

なお、親の老後や介護をどうするかについての詳しい考え方や対処法は、別の記事で解説しています。

>>毒親の老後を見捨てるのは冷酷?親に返していいと分かる1+3の事実

うき

役所からの通知を見ると心臓が縮む思いがするかもしれませんが、扶養義務の履行が期待できないと判断されれば照会を行わない運用もあります。最終的な判断は役所が行いますが、まずは制度の基準を落ち着いて知っておきましょう

親の死亡後に借金を引き継がないための3か月以内の相続放棄

親が借金を残したまま亡くなった場合、その負債を引き継がないためには、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に家庭裁判所へ相続放棄の申述を行わなければなりません。

親が死亡すると子どもは自動的に法定相続人となり、プラスの財産だけでなく借金などの債務もすべて受け継ぐことになる(単純承認)ため、法的な手続きを取って権利と義務を一切受け継がない状態にする必要があるからです。

民法第938条に基づき家庭裁判所に相続放棄の申述を行うと、民法第939条の規定により「その相続に関しては、初めから相続人とならなかったもの」とみなされます。
これにより、親の借金を背負うリスクを法的に断ち切ることができます。

申述できる期間は、民法第915条第1項および相続の放棄の申述|裁判所にあるとおり、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」です。

ただし、1点だけ重大な注意点があります。

親が生前に作った借金の「保証人」にあなた自身がなっていた場合です。
民法第446条第1項にあるとおり、保証人は主たる債務者が履行しないときにその履行をする責任を負います。
保証債務はあなた自身の契約上の責任であるため、親の相続を放棄しても支払い義務は消えません。

「親と何年も連絡を絶っていたら、亡くなったことすらリアルタイムで分からないかもしれない。知らない間に3か月が過ぎて借金を背負わされるのでは…」と不安になる方も多いでしょう。

しかし法律上、期間のカウントが始まるのは「親が亡くなった日」ではなく、あくまで「自己のために相続の開始があったことを知った時」からです。
何年も経った後に債権者からの督促などで初めて親の死を知った場合でも、その知った時点から3か月以内に家庭裁判所へ手続きをすれば間に合います。
ルールを正確に把握しておくことが、理不尽な借金から身を守るための大きな備えになります。

うき

音信不通だった親が死んだ後まで借金を背負わされるなんて、絶対に嫌ですよね。期限のルールさえ頭に入れておけば、法的にしっかり身を守ることができます

相続放棄の期間は原則3か月以内ですが、利害関係人などの請求によって家庭裁判所で伸長してもらえる場合があります(民法915条第1項ただし書)。期間を延ばす申立ても、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に出す必要があります。

万が一のときに自分の財産を親へ渡さないための備え

親と距離を置いている場合、自分に万が一のことが起きたときに大切な財産が親へ渡ってしまうのを防ぐには、遺言による「推定相続人の廃除」といった法的な備えがあります。

子どもがいない状況で自分が亡くなった場合、民法の規定により実の親(直系尊属)が相続人となり、配偶者がいる場合でも同順位として財産を受け継ぐ立場になってしまうためです。

民法第892条および第893条では、推定相続人が被相続人に対して虐待や重大な侮辱を加えたとき、または著しい非行があったときは、遺言でその親を相続人から外す「廃除」の意思を表示できると定められています。
遺言執行者が家庭裁判所に請求し、認められれば被相続人(自分)の死亡の時にさかのぼってその効力を生じる決まりです。

ただし、知っておくべき注意点として「遺留分」が存在します。
民法第1042条第1項によると、兄弟姉妹以外の相続人には最低限の取り分である遺留分が定められており、直系尊属(親)のみが相続人である場合は「3分の1」を受ける権利を持つことになります。
そのため、単に誰かに財産を譲ると書くだけでは、親から遺留分を請求されるリスクが残る点にも注意が必要です。

「まだ若いうちから、自分の死後の財産のことまでわざわざ法的に準備するなんて大げさすぎるのではないか」と感じる人もいるかもしれません。

しかし、親から離れて必死に自立し、自分の力で築き上げてきた大切なお金や生活です。
万が一の事態が起きたとき、最も渡したくない相手にそれが渡ってしまう理不尽を防ぐためにも、遺言や廃除という法律上の対抗手段を知っておくことは、これからの人生を安心して生きていくための心強い支えになります。

うき

自分が苦労して築いた大切な生活を、理不尽に親へ奪われたくはないですよね。法的な制度を知っておくことこそが、本当の意味で自分を守ることにつながります

離れた後に直面する問題と法律・備え
起きること法律・制度備え
保証人・緊急連絡先―保証会社を利用する、知人やパートナーに依頼する
扶養の照会民法877条1項、厚労省事務連絡「縁が切られているなどの著しい関係不良」などの場合は扶養照会を行わないこととして差し支えない(照会するかは役所が判断)
親の借金民法915条1項、第938条、第939条、民法446条1項自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所で相続放棄をする。親の借金の保証人になっていたら、相続を放棄しても払う責任は残る(民法446条1項)
自分の財産民法889条1項、第893条、第1042条親が相続人になるのは子がいない場合(民法889条1項)。遺言で親を相続人から外す廃除(民法893条・家庭裁判所が判断)や遺言書の作成を検討する。ただし親(直系尊属)には遺留分があり、遺言で誰かに譲ると書くだけでは遺留分の請求が残る(民法1042条)

親と縁を切ったら後悔する?実際に離れて過ごした僕のリアルな心情

親と縁を切ったら後悔する?実際に離れて過ごした僕のリアルな心情

親と完全に連絡を断ったら、後悔するんじゃないか

縁を切ったあと、どんな生活や気持ちになるんだろう

離れたい気持ちが強くなる一方で、その先の未来が見えずに立ち止まってしまう人は少なくありません。

親と離れたことを後悔していない

結論から言うと、僕は親と縁を切ったことを後悔したことは一度もありません。

ただ、すべてが最初から穏やかだったわけではなく、恐怖や罪悪感、そして気持ちの移り変わりを一つずつ通過してきました。

ここでは、僕が実際に親と距離を置いて過ごした中で直面した、リアルな心情と変化について全部で4つのお話をお伝えします。

約1年、自分からの連絡を断ち、初めて自分の人生を生き始めた実感

自分からは連絡しなかった約1年間、僕は後悔するどころか、人生で初めて「自分の人生」を生き始めているという確かな手応えを感じていました。

誰の機嫌もうかがう必要がなく、自分の意思だけで今日やることを自由に決められる時間を取り戻せたからです。

家を出た季節は、寒い冬でした。卒業後に実家へ戻っていた僕は、24歳で彼女と同棲するために家を出て、そこから約1年間、自分からは親に連絡しませんでした。
訪れたのは、大学4年生の同棲時代のような自由な日々です。好きなタイミングで彼女とラウンドワンに行ってオールでボーリングをしたり、深夜に山岡家へ行ってラーメンを食べたり、一緒にゲームをして、二人でカレーを作ってお酒を飲む。
なんのしがらみもない当たり前の日常の中に、ものすごく「生きてるな」という実感がありました。

うき

親と連絡を取らないなんて冷たいんじゃないか、後悔するんじゃないかと不安になるかもしれません。でも、深夜に山岡家へラーメンを食べに行ったり、ラウンドワンで遊んだり、二人でカレーを作ってお酒を飲んでゲームをしたり。そんなしがらみのない時間の中で、僕は『生きてるな』と強く実感していました

「親を捨てるようなことをしたら、孤独で苦しくなるだけだ」と思う人もいるかもしれません。

しかし実際には、自分をすり減らす環境から離れて手に入れた平穏な日常こそが、僕にとって本当の人生を歩み始めるきっかけになりました。

離れた後も続いた非通知の電話とアパート周辺を回る親の車

実家を脱出して連絡を断ったからといって、親からの干渉がその場ですぐにゼロになるわけではありませんでした。

子どもを自分の思い通りにコントロールしようとしてきた親ほど、離れた相手への執着を手放すまでに時間がかかるからです。

僕が住んでいたアパートには、月に1〜2回の頻度で携帯に非通知の電話がかかってきました。
それだけにとどまらず、僕のアパートの周辺を親の車がウロウロと回っているのを、自分の目で見たこともあります。
「居場所はもうバレている」と感じたときの気持ち悪さと、「ここまで逃げても逃げ切れないのか」という激しい怒りを感じました。
結果として居場所はバレたものの連れ戻されることはありませんでしたが、知恵袋などの相談を見ても「引越し先の住所も教えていなかったのですが、先日親が家に訪ねてきました」(Yahoo!知恵袋)、「突然来るんじゃないかと毎日ビクビクしています」(Yahoo!知恵袋)という声もあります。

うき

居場所を探られたり車を見かけたりした瞬間は、本当にぞっとしました。『逃げても無駄なのか』と絶望しそうになりますが、そこでこちらから反応して連絡を返してしまえば、相手の思うツボです

「離れてもつきまとわれるなら、家を出た意味がないのでは」と無力感を覚えるあなたもいるはずです。

それでも、僕の場合はたとえ居場所を知られたとしても連れ戻されることはなく、直接顔を合わせる生活から抜け出して安全な場所に身を置き続けること自体が、自分の身を守るための大きな一歩になります。

DV・虐待などの被害を受けた人が親に住所を知られないための手続きはこの記事の「閲覧制限」の見出しを、身の危険があるときの対処法は「相談先」の見出しをご確認ください。

家を出た直後が一番強く、そのあと薄れていった罪悪感

親から離れたことに対する罪悪感は、実家を出た直後が一番強く、のちに親から手紙が届いたあとに薄れていきました。

物理的に離れた直後は頭の中に親の影が強く残っていますが、安全な生活を積み重ね、相手の理不尽さを再認識する出来事を経る中で、情が落ち着いていくからです。

脱出した直後の頃、夜中に突然パッと目が覚めて、「あの人は今ごろ、一人でご飯を食べているんだろうか」と母親の姿をふと考えた夜がありました。
体調を崩すほどではなく、頭の中でふと思い浮かんでそのまま普通にすぐ寝たのですが、「逃げたのに、心はまだ逃げ切れていないんだな」と感じた瞬間でした。
知恵袋でも「縁を切った後、どんな気持ちですか? 後悔はしてないですか?寂しくなるときはありますか?」(Yahoo!知恵袋)という質問もあります。
しかし僕の場合、その罪悪感も長くは続きませんでした。のちに親から学費と生活費の約400万円を返すよう求める手紙が届いたとき、その身勝手さに直面したことで、胸の中に残っていた申し訳なさは一気に薄れていったのです。

うき

『親を一人にして自分だけ逃げた』という申し訳なさは、真面目な人ほど強く感じてしまうものです。僕も夜中にふと思い出しましたが、引きずることもなくすぐに眠れましたし、親から手紙が届いたあとにその感覚は薄れていきました

「親を悲しませて平気でいられるなんて、自分は冷酷な人間なのではないか」と自分を責めてしまうこともあるでしょう。

ですが、罪悪感が最も重くのしかかるのは家を出た直後であり、自分の生活を守り続けていれば、その痛みは薄らいでいくはずです。

時間が経つにつれて親からの連絡にも怒りが湧かなくなった心の変化

親に対して抱いていた激しい怒りは、何か劇的な出来事があったからではなく、ただ「時間が経っただけ」で静かに消えていきました。

安全な自分の日常を淡々と過ごし、相手から十分に距離を置いた状態を保つことで、心の中の支配から自然と解放されていくからです。

家を出て1〜2か月後、学費と生活費の約400万円を返せという手紙が届き、怒って一度だけ実家に乗り込んだことがありましたが、そのあとは怒りがおさまるどころか余計に燃えてしまいました。
実家を出て連絡を断っている間も親からのアプローチは続いていましたが、何か特別な許しのワークをしたわけでもなく、本当にただ時間が経過しただけでした。
気づいたときには、親から連絡が届いても、実家にいた頃に受けてきたことに対する怒りがもう湧いてこない状態になっていたのです。過去の怒りにとらわれずに、前を向いて未来へ進める気持ちへと、自然に変化していきました。

うき

怒りを無理やり力づくで消そうとしたり、親を許そうと努力したりする必要はありません。僕の場合も、物理的に関わらない時間を積み重ねるだけで、過去の惨劇に対する怒りはもう湧いてこなくなりました

「何年もあんなに傷つけられてきたのに、本当に親への怒りが消える日なんて来るのか」と信じられない気持ちになるかもしれません。

しかし、親と戦うのをやめて自分が消耗しない距離を選びさえすれば、激しい感情の波はいずれ引き、穏やかに前を向ける日がやってくるはずです。

親と離れたあとの暮らしについてもっと詳しく知りたいあなたは、僕の別の体験記事もあわせて参考にしてみてください。

>>【当事者体験記】毒親と離れてわかったこと|24歳で逃げてよかった5つの理由

親と縁を切るか迷うあなたへ|毎日消耗しないための距離は自分で選んでいい

親と縁を切るか迷うあなたへ|毎日消耗しないための距離は自分で選んでいい

親との関係に悩んだとき、「完全に縁を切るしかない」と思い詰めてしまう人は少なくありません。

ですが、親との付き合い方は「完全に絶縁するか」「我慢してすべてを受け入れるか」の2択だけではありません。

消耗しない距離は自分で選んでいい

あなたが毎日消耗しないための距離は、もっと自由に自分で選んでいいのです。

ここでは、親との距離を自分でコントロールしていくための選択肢について、お伝えしたい話が2つあります。

連絡の頻度や会う回数、話す話題に自分から線を引く選択肢

親との関係は、いきなり0か100かで決める必要はありません。
連絡の頻度を減らしたり、会う回数や時間を減らしたり、話す話題に線を引くことで、少しずつ距離をとっていく選択肢があります。

白黒つけようとして「完全に縁を切る覚悟」を自分に求めてしまうと、決断できない自分を責めてしまい、かえって苦しくなるからです。
完全な絶縁宣言をしなくても、関係を少しずつ「0」に近づけていくだけで、日々の消耗はずっと抑えられるはずです。

たとえば、親子関係カウンセラーの川島崇照さん(おとなの親子関係相談所)は、連絡の頻度を減らすことや、会う回数・時間を減らすこと、話す内容に意図的に境界線(バウンダリー)を設けることを挙げています。
また、個人ブログ「筋トレ×ミニマリストブログ」でも、完全絶縁宣言をする前に徐々に距離をとって数年会わないということをやってみることや、いきなり100か0かで考えるのではなく0に近づけてみる方法が提案されていました。

うき

白黒はっきりつけなきゃいけないと思うと苦しくなりますよね。でも、間をとって少しずつ距離を置く方法もちゃんとあります

もちろん、「中途半端に距離を置くだけでは根本的な解決にならないのでは」「連絡を減らしたくらいでは親が変わらないのでは」と感じるかもしれません。

ですが、この選択の目的は親を変えることではなく、あなた自身が消耗しない環境を守ることです。
まずは連絡の頻度や会う時間、話す話題に自分から線を引いてみる。それだけでも、心にかかる負担は軽くなっていくはずです。

子どもが生まれたときの連絡に応じ、連絡の頻度や話す話題を自分で決めている現在の距離感

親と一度離れたとしても、「一生完全に断絶し続けなければいけない」と縛られる必要もなければ、連絡を再開したからといって「昔のような関係に戻らなければいけない」というわけでもありません。
現在の僕自身も、連絡の頻度を自分で決め、話す話題に線を引くことで、意図的に心の距離を置いた付き合い方を続けています。

主導権を自分に置き、安全な境界線を保ち続けられるのであれば、必要な範囲だけで関わるという付き合い方を選んでも問題ないからです。

実際に僕の場合、25歳頃に子どもが生まれた際、親から連絡が届きました。
子どものことだったのでその連絡には応じ、結果として和解に至っています。

ただし、「和解する」ということは、「実家にいた頃のように元通り仲良くする」ということでも、「過去の出来事を完全に許す」ということでもありません。意図的に心の距離を置いています。
僕自身、今の親との連絡は年に数回にとどめていますし、自分の仕事やお金の話、生活の細かいことは話さないようにこちらから明確に線を引いています。

うき

連絡に応じることと、昔のように言われるがままになることは別です。主導権は自分が握っていいんです

「一度でも連絡に応じてしまったら、また昔のように踏み込まれてしまうのではないか」「関わりを持ったら後悔するのではないか」と不安になる気持ちもよく分かります。

だからこそ大切なのは、親のペースに巻き込まれるのではなく、「連絡の頻度」や「話す話題」の境界線をこちらからコントロールし続けることです。
元通りか絶縁かという極端な二者択一ではなく、心の距離をしっかり置いたまま関わるという距離感も、あなたが選べる選択肢のひとつです。

まとめ|法的に親と縁を切ることはできなくても、自分が消耗しない距離は自分で選んでいい

ここまで、親と縁を切ることについて法律の現実や安全に離れる方法、生活への影響をお伝えしてきました。

法律上、子どもから親との縁を法的に断ち切る制度は存在しません。

自分の生活を犠牲にする必要はない

ですが、法的な関係が残るからといって、親のために自分の生活を犠牲にし続ける必要はどこにもないのです。

法的に縁が切れないなら、一生逃げられないのかな…

親と離れることを選んだら、自分はおかしい人間なのかな…

そんなふうに自分を責めたり、絶望したりする必要はありません。

うき

法律上の関係は切れなくても、住所や連絡、お金の距離は自分で選べるんです。親から離れることは、悪いことでもなんでもありません

住所や連絡で距離をとることはもちろん、保証会社を使うことや相続放棄、家庭裁判所の手続きが必要になる遺言での廃除といった方法を知っておくことで、お金の面でもあらかじめ備えておくことができます。
そして、親と距離を置くかどうかを決める権利は、親ではなく、あなた自身にあるのです。

家を出て離れることはゴールではなく、あなたが自分の人生を歩み始めるためのスタートラインです。
あなたが毎日親のことで消耗せず、安心して暮らせる距離を自分で選んでいってください。

「このまま親の言いなりで生きて本当に大丈夫だろうか…」
「でも、何から始めればいいかわからない…」
そんな毒親育ちのあなたのために脱出ロードマップを作りました。

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