【毒親脱出物語】「いい子」を演じた24年間とリュック1つで毒親から逃げた朝の話

【就職の身元保証人】いない・頼めない人の全体像|条件を決めるのは会社です

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うき

親に言われるまま公務員になった毒親育ち。24歳の2月、リュック1つで家を出て、保証人ゼロ・貯金50万で自分の部屋を確保。10年勤めた市役所を辞め、今は「逃げ方の実務」を発信中。
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「話し合えばわかる」は、僕の家では幻想でした。
24年間「いい子」を演じた僕が、リュック1つで家を出た朝までの話。
>>うきのプロフィール

上に書いたとおり、僕が保証人で詰まったのは部屋を借りるときでした。

でも、これから書くのは働くときに出てくる「身元保証人」の話です。

同じ「保証人」ですが、別の制度です。



  • 「書類に、親の名前を書く欄がある…」
  • 「頼んだら、就職先を親に知られるよな…」
  • 「そもそも、頼める親がいない」


働き始めるとき、どこかで必ず出てくる、「身元保証人」。

しかしいざ書類を渡されると、

「これ、結局は親に頼むしかないんですか?」を、誰にも聞けないままになっちゃいません?


僕のときは、

・欄が空いたままだと、契約が先に進まない

・頼める人が、頭の中に1人も浮かばない

・「これを埋められない自分」のほうに、どんどん目が向いていく

ってな感じで、部屋を借りるときに、僕は完全に詰んだと思いました。

うき

「保証人の”ほ”の字も知らないところに、

いきなり紙だけ渡されるんだよね」


ということで今回は、

この記事でわかること

・身元保証人が、何を保証させられているのか(会社の保険であって、人格の保証ではない)

・誰に頼めるのか(条件を決めているのは法律ではなく、あなたの会社)

・親に頼まずに通す4つの手立て

あたりを、順番にまとめます。

なお、ここに書いているのは一般的な話で、条件は会社によって違います。

根拠にしているのは身元保証ニ関スル法律(e-Gov 法令検索)と労働契約法(e-Gov 法令検索)です。

個別の判断は、条文だけでは決まりません。



目次

そもそも身元保証人って、何を保証させられているんですか?

大きな傘の下に財布だけが置かれ、人物は傘の外に立っているイラスト

会社が守っているのは、あなたの人格ではなく「損害が出たときの財布」


身元保証人って、

書かされる側のレベルで「これ、結局なにを保証させられてんの?」っていう視点で見ると、

要するに会社が守っているのは、あなたの人格ではなく「損害が出たときの財布」、の一言でまとまります。

(法律上は「身元保証契約」といいますが、以後は求人票や書類でよく見る「身元保証人」で統一します)


そのやり取りをもうちょっと具体的にいうと、

・あなた → 書類の「身元保証人」欄に、誰かの名前と印鑑をもらってこいと言われる

・会社 → それを見て「この人が損害を出したら、この保証人に請求できる」と確認する

という感じです。


で、これがなんで「あなたの人格」ではなく「財布」の話になんのかっていうと、

ざっくりいうと

・あなたは、自分の信用で、自分の仕事を始めたい

・会社は、自分が損をしないように、誰かに保証させておきたい

という構図になるからです。

会社が人を雇うって、けっこうな賭けなんですよね。

レジの現金を触らせるのも、顧客の名簿を見せるのも、社用車のカギを渡すのも、「この人なら大丈夫だろう」の上でやってるわけです。

で、例えば、「入ったばかりの人に、会社のお金を扱わせる」場合…

あなたとしては、早く仕事を任せてもらえた方がいいわけです。

やっぱり、いつまでも「新人だから」と何も触らせてもらえないより、任された方が動きやすいし、覚えも早い。

でも、会社としては、「もし何かあったとき、誰も責任を取れないのは困る」ってわけです。

実際に事故が起きることは多くないけど、起きたときに回収できないと会社が傾きます。だから、「じゃあ初日からレジもカギもどーぞ」ってなわけにはいかないんですね。

身元保証人の責任には、法律が細かく歯止めをかけている

ここまでで「会社の保険」だとわかっても、

たぶん、まだ引っかかってますよね。

「じゃあ、書いてくれた人にどこまで迷惑がかかるの?」

そこは、「身元保証ニ関スル法律」という法律が、

細かく歯止めをかけています。

・期間を決めずに結んだ身元保証は、成立の日から3年で効力を失う(第一条)

・期間を決めた場合でも、1回の契約で5年を超えることはできない(第二条)。ただし、更新はできます(同条2項)

・賠償額は自動的に全額ではなく、裁判所が「一切ノ事情ヲ斟酌ス」と定められている(第五条)

・この法律に反して身元保証人に不利益な特約は、すべて無効(第六条)

e-Gov法令検索の身元保証ニ関スル法律。全6条で、期間・賠償額の斟酌・不利益特約の無効を定めていることを示す条文
出典:e-Gov法令検索「身元保証ニ関スル法律」


ただ、「だから保証人は安全です」という話ではありません。

裁判所が事情を斟酌するというだけで、責任そのものが消えるわけではないです。


※ 根拠は身元保証ニ関スル法律(e-Gov 法令検索)。

具体的な事案の判断は、条文だけでは決まりません。


ということで、

この「早く働きたいVS損をしたくない」のあいだに立って、親の名前を書いた紙を1枚もらってこい、と言われることになります。


じゃあ、誰に頼めるんですか(条件を決めているのは誰か)

高さの違う3本のハードルの前に立つ人物のイラスト


「じゃあ、実際に誰なら大丈夫なの?」っていうと、

まず、こう整理すると早いです。


条件は3つの層で決まっています

・法律 … 保証の期間と、責任の重さの歯止めだけを決めている

・会社 … 誰の名前なら受け付けるか(続柄・人数・年齢・収入)を決める

・会社の担当者 … 期限をずらす、別の方法を認める、といった運用の幅を持っている


これだけじゃ意味わからんと思うので、こっからは順番に行きますね。


このうち、動かせるのは下の2つだけです。

一番上の「法律」は、交渉しても変わりません。

逆にいうと、下の2つには交渉の余地があるってことです。

ちなみに僕は、採用や人事の担当だったわけではありません。

市役所に10年いて、組織が書類と個人情報をどう扱うかを、内側から見ていただけです。


条件を決めているのは法律ではなく、あなたの会社


まずは、身元保証人について、法律がどこまで決めているのかを確認します。


結論からいうと、

身元保証ニ関スル法律が決めていること

・保証の期間(第一条・第二条)

・賠償額を裁判所が斟酌すること(第五条)

・不利益な特約が無効になること(第六条)

・以上。誰が保証人になれるかは、一行も書かれていません


という感じです。

これが後々、会社に「この条件、変えられませんか」って聞くときの地盤になるわけですね。


【条文の確認】

これは僕の体験談ではなく、条文を読めば誰でも確認できることです。

身元保証ニ関スル法律は全6条しかありません。

そのどこにも、「保証人は親族に限る」「2人必要」といった定めはありません。

つまり、あなたの会社が出している条件は、法律の要求ではなく、その会社の運用です。


「2人」「親族のみ」の会社もあれば、そもそも要らない会社もある


次に、実際にどれくらいバラついているのかを見ます。

会社が決めているのは、だいたいこのあたりです。

・続柄(親族に限るか、友人・知人でもいいか)

・人数(1人でいいか、2人必要か)

・年齢・収入(定年後や無職では不可としているか)

・そもそも求めるかどうか(提出自体が任意の会社、制度を廃止した会社もある)

みたいな項目を、会社が自由に組み合わせてるんですが…


ぶっちゃけ書かされる側からすると、

「頼める人がいない」で詰まる原因の大半は、ここです。

めっちゃ差が出ます。


やっぱり、「うちは親族2人」って言われた瞬間に、詰んだと思ってしまうんですよね。

でも、それを決めているのは法律ではなく、目の前の会社です。


【大手の転職サイトは、どこも「会社による」と書いています】

・マイナビ転職 …「上記2つの条件を満たす2名」と書く一方で、「提出を求めない会社も多くあります」とも書いている

・type転職 …「身元保証人が不要の企業もあれば、社内規定で身元保証人を必須としている企業もあります」

・マイナビ転職 …「経済的に独立している」の定義さえ、「働いて安定した収入源を得ている」と定める会社もあれば「年金受給者でもOK」とする会社もある

ちなみに、「続柄の欄って何て書くの?」も同じです。

続柄も人数と同じで、何をどう書かせるかは、その会社の様式で決まります。

なので、書き方を先に調べるより、紙をもらって「ここは何を書きますか」と聞くほうが確実です。


うき

「条件が会社ごとにバラバラって、

知らないと『自分だけダメなんだ』って思っちゃうよね」


やっぱり親に頼んだ方が、いい会社に入れるんじゃないの?

ここまで読んで、たぶんこう思ってますよね。

・「身元保証人なんて、親に頼めばいいだけでしょ」

・「そこで揉めるような家なら、そっちにも問題があるんじゃないの」


親戚か、友達か。

たぶん、一度は言われたことがあると思います。

言われてなくても、自分で自分に言ってるかもしれません。


で、この記事ではその線を採りません。

正論なのは分かってるんですけど、それができる家なら最初から詰まってないので。

僕も、あの欄の前で固まったことがあります。

24歳のとき、実家を出るために部屋を探していて、

仕事帰りにひとりで不動産屋に通っていました。

契約の書類に、保証人の欄がありました。

そこで手が止まって、頭にあったのは

「これ、結局は親に頼むしかないのか」の一行だけです。

ただ、これは部屋を借りるときの話です。

僕は、就職で身元保証人を求められたことが一度もありません。

でも、詰まった場所の形はまったく同じでした。

「あの家の名前がないと、この紙は通らない」

そこで止まったんです。

で、結論からいうと、この絶望は空振りに終わりました。

保証会社を使えたので、保証人の欄そのものが要らなかったんです。

壁が消えたのは、僕が親を説得したからじゃありません。

制度をひとつ知っただけです。

頼めないんじゃない。頼む相手が、親である必要がなかった。

ただ、「親に頼むな」と言っているわけではありません。

頼める親がいるなら、それが一番早いです。

この記事がやりたいのは、頼めないときに詰まないように、道を増やしておくことだけです。


とはいえ、「じゃあ、部屋を借りるときの保証人はどうなるの?」というのは、また別の話です。

こちらの記事に、保証人なしで借りられる賃貸を4つの基準で比べたものをまとめました。


親に頼めない・頼みたくないと、どこで詰むのか

家から伸びた1本の線が手首につながったまま歩き出す人物のイラスト


そんな身元保証人ですが、

頼めない人は、実際どこで詰むのか。気になりませんか。


頼めば、就職先を親に知らせることになる


まずはさっきも少し触れましたが、詰むのは、ここです。頼めば、就職先が親に伝わる。

これは僕の話ではありません。

noteや知恵袋に、実際に書かれていた言葉です。


「血の繋がったストーカーだと思うしかないです」

「電話がかかってくるたびに動悸や腹痛が酷く、不安な気持ちに支配されてしまい他のことが手につかなくなってしまいます」

なんだか、就職しても逃げ切れない気になってきます。


しかも、これは会社が気を利かせてやることじゃないんです。

・身元保証ニ関スル法律 第三条(e-Gov 法令検索)は、会社に身元保証人への通知義務を課しています。次の2つの場合です

・本人の勤務ぶりに問題があって、保証人に責任が及びそうだと会社が知ったとき(第一号)

・本人の任務や勤務地が変わって、保証人の負担が重くなるとき(第二号)。つまり異動や転勤のたびに、あの家へ連絡が行く前提で制度ができています

e-Gov法令検索の身元保証ニ関スル法律第三条。会社が身元保証人へ通知する義務を負う2つの場合を定めた条文
出典:e-Gov法令検索「身元保証ニ関スル法律」第三条


そういう制度なので、

頼むというのは、あの家を「会社が連絡していい相手」として登録することでもあるんですね。


頼めば、貸しになる

もうひとつが、「書いてやるけど」の、その”けど”の先です。

頼むというのは、貸しを作るということなんですね。

そして、その貸しには期限がありません。


これは身元保証人の話じゃないんですが、僕の家の場合はこうでした。

  • 18歳のとき、大学に行く条件として「安定してるから」と職業を提示された
  • 22歳、その通りに市役所に入った
  • そこから、手取り15万ほどのうち毎月3万ほどを実家に入れていた
  • それが何に使われているのかの説明は、一度もなかった

みたいな感じですね。


で、当時の僕は、これを理不尽だと思っていなかったんですよ。

入れるのが当たり前だと思っていました。ここが、いちばん効いているところです。

あの欄も、同じ形をしているように、僕には見えます。

書いてもらった1回が、「してもらったこと」として残っていく。

そもそも書けない(無職・定年・音信不通・片親)


そして、頼みたくない以前に、

・親が無職で、会社の求める条件を満たさない

・定年後で、収入の条件から外れる

・何年も連絡を取っていない

・片親で、「2人」という指定に頭数がそろわず

・そもそも、どこにいるか分からない

「頼めば就職先が伝わる、頼まなければ書類が出せない、じゃあ誰にって話だけど親戚なんてよく知らないし、友達に頼むなら家の事情から説明しないといけなくて、そこまで話して断られたら気まずいし、でも提出は来週で…」

みたいなことが、頭の中でずっと回っている。

これは、特別に不器用だからではありません。

ここで「僕もそうでした」と書ければ話が早いんですけどね…

あいにく僕は、この欄を埋めた経験がないんです。

市役所に10年いて見ていたのは、組織が個人情報をどう扱うかのほうでした。


たかが1行に、どれだけのものが乗っかってるか…

書類の話じゃなくて、そもそもの距離の話は、こちらにまとめました。


親に頼まずに通す(4つの手立て)

閉じた扉を少しだけ開けて、隙間から漏れる光をのぞき込む人物のイラスト

そんなわけで、ぶっちゃけ詰みどころだらけなわけですw

頼めば就職先が伝わるし、

頼めば貸しになるし、そもそも書ける親がいない人もいるし…


僕はあのとき、欄の前で「頼むしかないのか」の一行だけを、ぐるぐる回してました。

やっぱり、自分の身を守る手が必要です。

ここでは、親に頼まずに身元保証人を通す方法を4つ出します。

親に頼まずに通す4つ

・まず会社に条件を聞く(条件は法定ではない)

・親以外に頼む

・保証代行サービスを使う

・そもそも求めない会社を選ぶ


あと、ここでは「親とちゃんと話し合ってみましょう」も言いませんw

話し合いで済むなら、とっくにそうしてるはずなんですよね。

僕が書くのは、話し合いが成立しない前提で、それでも紙を通す手だけです。

どれから手を付けるかは、いまの状態で決まるので、先に1枚にしておきます。

いまのあなた先にやること
会社の条件を、まだ聞いていない1つ目(会社に条件を聞く)。全員ここから
聞いたら親族以外でもOK + 頼める人がいる2つ目(親以外に頼む)
聞いたら親族以外でもOK + 頼める人がいない3つ目(代行を受け付けるかも、1つ目と一緒に聞く)
聞いたら親族限定 + 頼めない1つ目に戻って、期限と別の方法を聞く。次の会社は4つ目
そもそも会社が求めていない出すものがない。次の会社のために、1つ目だけ覚えておく

つまり、どの行にいても最初にやるのは「聞く」です。


まず会社に確認する(条件は法定ではない)


まず1つ目は、会社に条件を聞くこと。

これは、内定が出た会社でも、いま受けている途中の会社でも、どっちもです。

身元保証人って、条件を知らないまま人を探すと、だいたい空振ります。

誰なら受け付けるかを決めてるのは、そもそも会社なので。


なので、人事や採用の担当には、こんなふうに聞きます。

  • 「身元保証人の条件を教えてください。続柄の指定はありますか」
  • 「親族以外でも大丈夫でしょうか」
  • 「保証会社や代行サービスでも受け付けていただけますか」

事情は言わなくていいです。条件だけ聞きます。


あなたも心当たりあるかもしれませんが、こういうとき、頼るより先に「迷惑かな」が出てくるんですよね。

総じて、人に条件を聞くこと自体が、お願いごとに見えてしまう。

だから、聞く前に自分で無理だと決めてしまうことが多い。


でも、さっきの3つはお願いじゃなくて、提出書類の確認です。

聞かれた側からすると、入社前によくある質問のひとつでしかありません。

これは僕の側の話ですけど、書類を受け取る側に10年いて、

「保証人の条件を先に聞いてきた人」を面倒だと思ったことはないです。

むしろ、条件を知らないまま出されて不備で戻すほうが、事務としては手間なので。

事情を話す前に、条件を知るのが先です。


もちろん、必要以上に事情を打ち明けるのとは違います。

「親と折り合いが悪くて」まで話すと、そこから先を聞かれて、かえって話が重くなることもあります。


うき

「言いにくくても、

事情じゃなくて条件を聞く!これだけ!」


面と向かって聞きにくかったら、メールでもいいんです。

「身元保証人について質問です」だけじゃなくて、

「提出書類の件で確認させてください。身元保証人の条件を教えていただけますか」にするだけで、個人的なお願いではなく、書類の確認として送れます。

あと、提出期限が近いときは、聞くのと一緒にこれも言っておくといいです。

「提出が少し遅れそうなのですが、いつまでに出せば大丈夫でしょうか」

期限も、会社が決めているものです。条件と同じで、聞けば動くことがあります。

メールで送るなら、こんな感じです。

【そのまま送れる確認メール】

件名:提出書類の件でご確認(身元保証書)

お世話になっております。◯◯(氏名)です。

身元保証書の提出にあたり、条件を確認させてください。

  • 続柄の指定はありますか
  • 親族以外でも大丈夫でしょうか
  • 保証会社や代行サービスでも受け付けていただけますか

あわせて、提出期限も教えていただけると助かります。

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。


親以外に頼む


それから、頼む相手を、親の外まで広げること。

これは、親に借りを作らずに済ませることにもなります。

「頼んだら、絶対あとで持ち出される」

「そもそも、もう連絡を取りたくない」

こんなときは、兄弟・親戚・配偶者・友人まで枠を広げます。

とはいえ、友達に頼むなら家の事情から説明することになるんですよね。

なので、「事情を話さなくていい相手」から順に当たります。

そこも無理なら、3つ目です。

保証代行サービスを使う


逆に、誰にも頼めないまま黙っていると、「出せませんでした」の一択になります。そこをお金で埋めるのが、保証代行サービスです。

部屋を借りるときの保証会社と、考え方は同じです。

人に頭を下げる代わりに、事業者に手数料を払って、欄を埋める。


ただ、費用はかかります。

金額は事業者によって幅があるので、ここでは具体的な数字を出しません。

特定の業者を勧めることもしません。この記事は紹介料を受け取っていないので、比べる材料を持っていないからです。

金額を調べる前に、さっきの3つ目(「保証会社や代行サービスでも受け付けていただけますか」)を聞いてください。

そもそも会社が受け付けないなら、費用を調べても意味がないので。

身元保証人が要らない会社を選ぶ


正直、もう内定が出てるのに今から会社を選び直すなんて無理、というのはあります。

でも、この会社が最後とは限らないので、知っておくかどうかで次が変わります。

どっちみち書類は出すんだったら、

  • 求める会社の中で、頼める人を探し続ける
  • そもそも求めない会社もある、と知ったうえで動く

後者のほうがラクですw


4つ並べましたが、まずやるのは1つ目です。会社に条件を聞く。ここが動かないと、残りの3つも選べません。

条件を決めているのは会社なので、聞かないと何も始まらないし、聞けば動くこともある。

うき

そもそも親ありきの制度っておかしくない?とは思うけどw、まず紙が通らないと始まらないからね


出さなかったら、内定は取り消されるんですか

手立てを4つ出しましたが、

たぶん、いちばん怖いところがまだ残ってますよね。

「出せなかったら、内定って取り消されるんですか」

先に言っておくと、ここは僕が言い切れないところです。

「内定取消が無効になる」という話の根拠は、条文ではなく裁判の積み重ねなんですね。

僕はその判例を自分で読んでいないので、条文に書いてあることだけ書きます。


・労働契約は、労働者と使用者が合意することによって成立する(労働契約法 第六条)

・解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、権利濫用として無効(同 第十六条)

・身元保証法は「誰が保証人になれるか」を定めていない(身元保証ニ関スル法律 全6条)


ただ、上の2つは「解雇」について書いた条文です。

内定を取り消すことがこの「解雇」に当たるのかどうかは、

条文には書いてありません。

ただ、ひとつだけ条文から言えることがあります。

身元保証法は「誰が保証人になれるか」を、ひとつも決めていません。

だから、条件を満たせないこと自体は、法律に反しているわけじゃないんですね。

出せない理由は、こちら側ではなく、その会社が自分で決めた条件の側にあります。

条件を決めているのが会社なら、まだ動かせる余地が残っているということです。

なので、「出さなくても大丈夫」という話でもありません。

求められた書類を黙って出さないこと自体は、こじれる元です。


じゃあどうするか。

ひとりで判断しない、が答えです。

総合労働相談コーナー(厚生労働省)

・利用は無料、予約不要

・面談や電話で専門の相談員が対応

・近くの窓口は公式ページの一覧で探せる

厚生労働省の総合労働相談コーナー案内ページ。学生・就活生の相談も受け、予約不要・無料で、全国378か所に設置されていることを示す記載
出典:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」(2026年10月12日に閲覧)


取り消せるかどうかを一人で調べるより、聞いたほうが早いです。

繰り返しますけど、出せないことと、あなたに問題があることは別の話なんですよね。

身元保証人の前に、全体の順番を知りたい人へ


身元保証人でよくある質問

ここまで読んでも、まだ引っかかっているところがあると思うので、気になりやすいものに答えておきますね。

転職でも、身元保証人は必要ですか?

会社によります。身元保証書の提出は法律で義務付けられているわけではなく、マイナビ転職も「提出を求めない会社も多くあります」と書いています。

内定が出た会社でも、受けている途中の会社でも、先に条件を聞く。それで、要るかどうかが分かります。

親が無職や定年後でも、身元保証人になれますか?

決めているのは法律ではなく会社なので、会社に聞かないと分かりません。身元保証ニ関スル法律は、誰が保証人になれるかを一行も決めていません。

収入の条件も会社ごとに違っていて、マイナビ転職には「年金受給者でもOK」とする企業もある、と書かれています。無理だと決める前に、条件を聞くのが先です。

親族じゃなくて、友人や知人に頼んでもいいですか?

会社の条件次第です。続柄を親族に限るか、友人・知人でもいいかは、会社が決めています。法律には「親族に限る」という定めはありません。

ただ、友達に頼むなら家の事情から説明することになるので、「事情を話さなくていい相手」から順に当たってください。そこも無理なら、代行サービスを受け付けるかを会社に聞きます。

条件を先に聞いたら、印象が悪くなりませんか?

これは僕の側の話ですけど、書類を受け取る側に10年いて、条件を先に聞いてきた人を面倒だと思ったことはないです。

むしろ、条件を知らないまま出されて不備で戻すほうが、事務としては手間でした。事情は言わなくていいので、条件だけ聞いてください。

期限までに保証人が見つからなかったら、どうすればいいですか?

黙って出さないのが、いちばんこじれます。期限も会社が決めているものなので、「いつまでに出せば大丈夫でしょうか」と、条件と一緒に聞いてください。聞けば動くことがあります。

それでも詰まったら、ひとりで判断しないでください。総合労働相談コーナー(厚生労働省)は無料で、電話でも相談できます。


最後に:欄が埋まらないのは、書類の問題じゃない


身元保証人の欄、正直しんどいと思います。

僕も、部屋を借りるときに同じ欄の前で止まりました。

あの家で育つと、「親に頼むしかない」って視点が狭くなりがちですけど(僕もそうだった)、

選べる道は、ホントはいっぱいあります。

僕の場合、

32歳で市役所を辞めたときは、隠しませんでした。

直接、親のところに行って「辞めます」と事後報告しました。相談ではなく、事後報告です。

そのとき言われたのは「せっかく安定してるのに」。

18歳のとき、僕の職業を決めた一言と同じ言葉でした。

14年ぶりに同じ一語が来て、今度は何も動かなかった。

そうできたのは、もう家を出たあとだったからです。

関連:24歳のとき、リュック1つで家を出た朝の話

その紙、親の名前じゃなくても通ることがあります。

それだけ分かっていれば、もう一本道じゃないんですよね。

とにかく、紙は通してください。
というか、そのあとの自分の生活を、大事にしてくださいね。


次に読むなら、このあたりです。

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